J-MICC通信 第4号 佐賀市におけるジェイミックスタディ

2006年4月27日 佐賀大学医学部社会医学講座予防医学分野 田中 恵太郎

がん死亡率が高い佐賀市

佐賀市は、平成17年10月1日に(旧)佐賀市と周辺の四町村が合併して、人口約20万人の新たな市となりました。九州最大の筑紫平野の西半分を占める佐賀平野のほぼ中央に位置しています。従来からがん死亡率が高く、特に肝がんが多い地域です。

40から69歳の一般市民から研究参加者を募集

説明会の様子

説明会の様子

佐賀市の調査では、(旧)佐賀市にお住まいの40から69歳の方々を対象として、校区ごとに順次調査を進めております。住民基本台帳から調べさせていただいた対象の方々全員に郵送で協力を依頼し、校区内の公民館などを利用して調査を実施しております。平成17年度は、北部校区(高木瀬、若楠、金立)の調査を実施いたしました。全体として10738名の方々にご協力をお願いし、平成17年11月1日から平成18年3月10日までに1989名(18.5%)の方々のご参加をいただきました。

佐賀市での調査の特徴

全国での共通の調査項目(質問票による調査・採血)に加えて、佐賀市の調査では、血圧測定、身体計測(身長・体重・体脂肪率・腹囲・臀囲)、電子歩数計(ライフコーダ)による身体活動量の測定を行っています。また、がんに加えて脳卒中・心筋梗塞・高血圧症・糖尿病に関する詳しい発病状況の調査を行う予定です。

参加していただいた方々のために

調査に参加していただいた方には、一般的な検診に対応する検査として、血液生化学10項目(総コレステロール、中性脂肪、HDL-コレステロール、総たん白、アルブミン、AST、ALT、γ-GTP、尿酸、クレアチニン)、ヘモグロビンA1c、HBs抗原、HCV抗体を測定し、ご希望に応じて検査結果をご報告しております。この際、必要であれば医療機関への受診勧奨も行っております。また、電子歩数計(ライフコーダ)による詳しい身体活動量の測定結果も合わせて報告しており、日頃の生活習慣の見直しに役立てていただきたいと考えております。

平成18年度は東部および南部の校区、平成19年度は中央部および西部の校区での調査を実施し、全体として約1万人の方々のご参加を目標としています。