2型糖尿病の遺伝的リスクが高い集団におけるフルーツジュース摂取と2型糖尿病との逆相関:J-MICC研究

研究ファイルNo.113:遺伝的に糖尿病になりやすい人では、フルーツジュース摂取が糖尿病リスクの低下と関連する

 フルーツジュースはビタミンなどの微量栄養素を含む一方で、糖分も多く含まれるため、糖尿病予防において体に良いのか悪いのかという議論が続いていました。(図1)そこで本研究では、単にジュースが良いか悪いかを調べるだけでなく、生まれ持った遺伝的な体質(遺伝的リスク)」と「ジュースを飲む習慣」が組み合わさることで、糖尿病リスクへの影響がどのように変化するか(これを専門用語で交互作用と呼びます)について、J-MICC研究に参加された約1万4千名の方々のデータを解析し検討しました。

図1 フルーツジュースの功罪: 矛盾する報告

 解析の結果、この交互作用が統計学的にも確認されました。具体的には、遺伝的に糖尿病になりやすい体質(遺伝的リスクが高い)のグループにおいては、100%フルーツジュースを飲む習慣がある人は、飲まない人に比べて糖尿病である割合(オッズ)が統計学的に有意に低いという逆相関が認められました。このリスクが高いグループで1日1杯以上飲まれる方では、糖尿病との関連が約5割近く低いという顕著な結果でした。

 一方で、遺伝的リスクが低いグループにおいては、このような関連(ジュースによるリスク低下)は認められませんでした。つまり、フルーツジュース摂取と糖尿病との関係は、誰にでも一様に当てはまるわけではなく、遺伝的な背景によって異なることが示されたのです。(図2)

図2 フルーツジュースの摂取と2型糖尿病

 この結果は、万人に共通の正解があるわけではなく、個人の遺伝的体質に合わせて生活習慣を変える「個別化予防」が、将来の糖尿病対策において重要であることを示唆する重要な知見であると考えられます。

出典

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