あまみ島嶼地域における動脈硬化

研究ファイルNo.14: あまみ島嶼地域住民は日本健常集団より動脈硬化の値が低い

鹿児島県のあまみ島嶼地域は長寿者の割合が多い地域です。一方、がんや心臓病、糖尿病などの生活習慣病は本土地域ほど多くはないものの、生活習慣の変化に伴い増加しつつあります。動脈硬化は心臓病や脳卒中、糖尿病に深く関わっています。

最近開発されたCardio-ankle vascular index (CAVI)通称「キャビ」は、動脈硬化の程度を数字で示すことができる測定方法の1つです。

J-MICC研究に参加されたあまみ島嶼地域の一般住民4,523名と、鹿児島県本土の一般住民440名の動脈硬化の値をキャビを用いて調べました。さらに、動脈硬化の危険要因を持っている人を除外した日本全国の健常集団5,969名の動脈硬化の値とも比較しました。

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脂質代謝異常症がおこりやすい遺伝子多型

研究ファイルNo.13: 脂質代謝異常症発症リスクにおける脂肪摂取と脂質代謝遺伝子多型の交互作用

現代日本においても、座位中心の不活発なライフスタイルや食生活の欧米化に起因すると考えられる虚血性心疾患、脳血管疾患はまだまだ国民の死亡原因の主因(がんに次いで第2位・第3位)を占めており、これまでの様々な研究によりコレステロール等の脂質代謝や糖質代謝の異常(脂質代謝異常症、糖質代謝異常症)がこれらの疾患のリスクを高めることが分かっています。
また、これまでに、これらの脂質・糖質代謝に関わる遺伝子(APOA5(脂質代謝), GCK, GCKR(糖質代謝))の個人間におけるバリエーション(=遺伝子多型)が、脂質代謝異常症、糖質代謝異常症の発症リスクに関係していることが 続きを読む

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現代日本人はどうやって生じたか

研究ファイルNo.12: 日本人形成の2重構造モデルは正しいようだ

現代日本人は,数万年前から日本列島に来たいわゆる「縄文系」の人々と,縄文時代末期から弥生時代にかけて日本列島に来た「弥生系」の人々の混血により生じたとする2重構造モデルは故・埴原和郎先生により提唱された仮説ですが,現在では基本的には正しいものとされています.この説では,弥生系の人々が日本列島の中心部に多く入ってきたことから,日本列島の中心部では弥生系の人々の特徴が強くあらわれ,列島の両北端では縄文系の人々の特徴が色濃く残るとされています.

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閉経年齢に関わる遺伝子多型

研究ファイル No.11: インスリン抵抗性に関わるPPAR関連遺伝子多型が自然閉経年齢に与える影響

女性が自然に閉経する年齢は、42~58歳ぐらいまでと幅広く(平均は50~51歳ぐらいですが)、個人差がかなり大きいイベントと言えます。早すぎる閉経は、女性ホルモンの欠乏が人生の早い時期から生じるために、その後の心筋梗塞や骨粗鬆症の危険を高めることがわかっています。したがって、閉経年齢に影響を及ぼす要因を明らかにすることは、閉経後の健康維持のために有意義な情報となります。

最近、メタボリック症候群の本質ともいえるインスリン抵抗性があると自然の閉経年齢が早くなることを示唆する報告がなされています。そこで 続きを読む

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肝機能に関わる遺伝子多型

研究ファイル No.10: COMTの熱不安定性に関わる遺伝子多型rs4680が肝機能に与える影響

タンパク質を網羅的に解析するプロテオミクスの手法を用いて、動物モデルによる肝傷害についての研究を進めたところ、肝臓内のカテコール-O-メチル基転移酵素 (COMT) に変化が見られたことから、COMTと肝機能の関連に着目しました。
COMTは女性らしさに関わるエストロゲンの代謝や、アミノ酸の一種であるチロシンの代謝で働きます。その中のカテコールエストロゲンやカテコールアミンに作用する酵素であり、様々な生理機能の調節に関与します。 続きを読む

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腎機能が悪くなりやすい遺伝子の型

研究ファイル No.9: 慢性腎臓病の割合は、炎症性サイトカインの遺伝子多型によって異なる

私たちの体は厳格に制御された強力な免疫機構に守られています。しかし、その制御が乱れて強く働きすぎると自分自身の体を痛めることがあります。
免疫の活動のひとつを炎症反応と呼びますが、炎症反応を引き起こすサイトカインという細胞同士の情報伝達物質の過剰が持続すると、大事な内臓の血管を痛め、心筋梗塞や腎不全になりやすくなると考えられています。

J-MICC研究に参加された3323人の方の腎臓の機能と炎症性サイトカインの遺伝子多型の関連について調べました。 続きを読む

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お酒への強さに関係する遺伝子にも地域差

研究ファイル No.8: 生活習慣や健診データに関係する遺伝子型の地域差

 J-MICC研究では、遺伝的要因と生活習慣や健診データなどとの関係を調べるため、全国10地区で研究に参加されている方の中から4519人について、108種類の遺伝子型(タイプ)を調べました。その結果、遺伝子型の中には、地域によって頻度にかなりの差があるものもあることがわかりました。 続きを読む

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森林浴と血圧の関係

研究ファイル No.7: 森林浴を高頻度でしていても血圧値は低くはない

森林浴はよく知られている健康増進方法の一つですが、効果に関する研究は途上段階です。「どんな人が、どのような方法で行えば、どんな効果が見込めるのか」というような具体的なガイドラインはまだありません。今回は、静岡地区の4666人を対象にし、血圧について解析を行いました。その結果、森林浴を高頻度で行っている人でも、行っていない人より高血圧の人が少ないとか、血圧値が低いというようなことはありませんでした。更なる研究が必要ですが、今回の調査結果では、森林浴を高頻度で行っても、高血圧や血圧値とは関連がないことが示されました。 続きを読む

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食事パターンと炎症のかかわり

研究ファイル No.6: 食事パターンと高感度CRP(血中炎症マーカー)との関連について

日本人の食事パターンと高感度CRPとの関連を検討しました。男女別に5つ(健康型/欧米型/魚介類型/パン食型/デザート型)の食事パターンを導きだしました。男性のCRPは、健康型、パン食型、デザート型で低くなり、魚介類型で高くなる傾向が見られました。一方、女性のCRPは、健康型で低くなり、欧米型で高くなる傾向が見られました。

日本人男女における健康型の食事パターンは、炎症の抑制と関連している可能性があります。
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日本人のメタボの基準値について

研究ファイル No.5: 日本人のメタボリックシンドロームの腹囲基準値の検討および他の身体計測指標の検討

メタボリックシンドロームの腹囲基準値には異論も多い現状です。今回、高血圧、脂質異常、高血糖を2つ以上保持している方を検出する腹囲の値、および腹囲以外の身体計測指標(BMI、体脂肪率、腹囲/身長比、腹囲/臀囲比)で、上記の方の検出力を比較致しました。

対象者は佐賀市でJ-MICC Studyに参加した者(40-69歳)の内、空腹時採血ができた844人です。ROC解析をした結果、腹囲の値は、男性88cm、女性 82cmでした。また、腹囲以外の身体計測指標でも腹囲と同等の検出力を示しました。
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