研究ファイルNo.73:妊娠出産回数と高血圧
女性は妊娠出産の度に、体内の血液量や血圧が変化します。そのため、妊娠中に妊娠高血圧症候群等の合併症があったかどうかだけでなく、妊娠出産の回数も将来の心血管疾患の発症に影響を及ぼすと考えられています。また、これらの影響が閉経前・閉経後により異なる可能性が指摘されています。
本研究では、高血圧、また高血圧と関連のある肥満について、妊娠出産回数とどのような関連があるかをJ-MICC研究のベースラインデータを用いて検討しました。対象者は、J-MICC研究の全女性対象者のうち、妊娠出産回数、血圧、BMI等のデータが揃っている35歳から69歳の女性24,558名です。高血圧は、収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上、または降圧薬服用のいずれかを満たす場合、肥満は、BMI 25kg/m2以上の場合としました。対象女性のうち、高血圧の人は28.6%、肥満の人は17.6%でした。
妊娠出産回数を0回、1回、2回、3回以上の4グループに分けて、高血圧・肥満との関連をそれぞれ検討しました。また、閉経の有無によりその関連が異なるかを調べるために、閉経前(質問票に「閉経前」または「閉経間近」と回答)、閉経後(質問票に「閉経後」と回答)の2グループに分けた解析も行いました。 続きを読む